こんにちは。

横浜サトウクリニック

院長の佐藤忍です。

「医者になって父の手助けをする」

大学の医学部を卒業した私は、すぐには父のあとを継がず、外科医として勤務しました。

その後、私は免疫監視療法の理論的な裏づけを研究するため大学院に進みました。

自分自身としても、研究を重ねて理論の整理や実績を作っておきたかったのです。

ところが、私が大学院で研究中に、父が病気で倒れてしまいました。

これはわたしにとっても一大事でした。

その頃は、父の治療を受けたい患者さんが大勢、クリニックを訪れていたからです。

実際、父の不在を知らずに来られた患者さんが、診察室のドアを開けて私の顔を見るなり、ドアを閉めてそのまま帰ってしまわれることもありました。

正直、ショックでしたが、それだけ父は患者さんにとって大きな存在だったのです。

1995年、その父が急逝。

突如、私が父のクリニックを継ぐことになったわけですが、どれだけの患者さんが残ってくださるのか、わたしにとってはまったくの未知数でした。

ただ、治療方法は確立していましたし、私自身も大学院の基礎研究で療法の理論を身につけていましたので、これまでと同じ医療を提供できる自信はありました。

しかし、父の持つ信頼感やカリスマ性は、受け継ぐことができません。どうしたものかと、焦りました。

まず必要と感じたことは、患者さんから信頼していただくこと。

そこで、私は患者さんのお話を一所懸命、丁寧に聴き、お答えする。診察にたっぷりと時間をかけ、納得していただける治療を目指しました。

今思えば、あのころは本当に必死でした。