抗ガン剤のメリット・デメリット

こんにちは。

横浜サトウクリニック

院長の佐藤忍です。

 

今回は、ガンの治療法のうち「抗ガン剤」についてお伝えします。

手術や放射線治療が局所療法であるのに対し、抗ガン剤は基本、全身療法です。

すでに転移を起こしている患者さんや、転移を起こしている可能性のある患者さんに対して用いられています。

 

抗ガン剤が効くメカニズムも基本的には放射線と同じで、ガン細胞が分裂をするときに遺伝子を傷つけたり、分裂の邪魔をして死滅させるというものです。

したがって、急速に進行する「暴れん坊のガン」には効果を発揮しやすいですが、ゆっくり進行する「のんびり屋のガン」にはあまり効果がないといえます。

 

また、抗ガン剤の一番の問題は副作用です。

正常な細胞もときどき分裂をするため、正常な細胞まで殺してしまうことになります。

抗ガン剤治療をすると白血球の数が減ることはよく知られていますが、これは抗ガン剤によって白血球も死んでしまうからです。

 

さらに、抗ガン剤治療が原因で、後々白血病や血液系の悪い病気になったりすることもあります。

また、他の臓器の細胞も同じように抗ガン剤によって傷つけられている可能性もあるため、何十年後かに別のガンになる可能性もあるのです。

どのガンにどの抗ガン剤が効くかは、化学療法のメニューというものをもとに治療を行うわけですが、効かない抗ガン剤を無理に続けると、どんどん体力が落ちて、寿命が縮むことにもなりかねません。

 

ちなみに、最初の抗ガン剤が効かなかった場合、次の抗ガン剤が効くことはまずないと 思っておいて間違いないでしょう。

というのも、医師が最初に選ぶ抗ガン剤が、そのガンにとってはベストと思われる抗ガン剤だからです。

すなわち野球でいえば一軍の選手であり、それが効かなかった場合に出てくるのは二軍三軍の選手たちだからです。

したがって、抗ガン剤治療をした結果、あまり効果がなかった場合は、その後の生活のことを考えると、抗ガン剤治療をやめるという選択肢もあるということを念頭に置いておいたほうがいいでしょう。


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